?私は経営や企業の勉強をしていく上で重要視されてきている環境に興味を持ち、環境先進国と言われているドイツで学ぶことを決意しました。
実際に授業を受けてみると、授業のレベルはとても高く感じました。ディスカッションや授業の内容も今までは考えもしなかったようなことや気付かなかったことが多くあり、とても刺激になりました。
また生活しているだけでも多くの発見がありました。ボトルにデポジットがあったり、街中にたくさんゴミ箱が設置されていたり、食品も環境を意識したものが多かったりと日本にはないものがたくさんあって、環境意識の高さを実際に感じることが出来ました。
休みの日には友達と旅行に行ったり、森でカヌーをしたり、湖の周りを散歩したりしました。出身国もバックグラウンドも違う友達と共に時間を過ごすだけでも、語学力の向上や新たな視点を得ることにつながったと思います。
私にとって初めての海外、一人暮らしで、全く違う環境に身を置くことで気付くことや感じることが多くありました。コロナ禍でも留学に挑戦したことは自分にとっても大きな経験になりました。埼玉大学は交換留学の制度が充実していると思うのでぜひ挑戦してみてください。
?まず大学について紹介すると、ブランデンブルク工科大学(BTU)は東ドイツのコトブスという街にある比較的新しい大学で、留学生が多いことが特徴です。環境資源管理学(Bachelor)と世界遺産学(Master)のプログラムは英語で開講されており、埼大生が交換留学に行った場合この2つのプログラムから大体の授業を履修することになると思います。(他にもサイバーセキュリティ、デジタルマーケティングなどの授業も英語で開講されていました。)世界遺産学の授業は修士レベルですが、交換留学の場合は学部生でも登録できました。ドイツ語の語学の授業も学期前?学期中に無料で受けられますが、アプリケーション時期と履修登録締切の関係で学期前の履修は難しかったため学期中のものを1セメスターのみ受けました。
この交換留学は私にとって初めての海外、初めての一人暮らしだったので、到着直後は全く新しい環境の中、英語もままならないのに英語もあまり通じない街で生活を始めるのはやはり大変でした。そのため前期はとにかく生活に慣れ、生活に必要なドイツ語を習得し、英語での授業についていくことに集中しました。
夏休み?冬学期は日本語以外でのコミュニケーションに慣れ、人間関係も安定してきたのもあり、夏学期と比べていろいろなことができるようになりました。夏休みは旅行に行ったり、コトブスから電車で1時間強で行けるベルリンでボランティアをしたりしました。エリザベス女王の葬儀の時に一人でロンドンに行ったのですが、ホステルで他の宿泊者に自分の英語力についてボロボロに言われて落ち込んだのと偶然チャールズ国王を生で見ることができたのは一生の思い出です笑
ボランティアは、もともとは自分が暮らしている街についてもっと知りたかったのでコトブスでやりたかったのですが、やはりどの仕事もある程度のドイツ語力が必要だったので諦め、ドイツ語の能力がなくてもできるものをベルリンで探しました。申込時にはドイツ語能力が必要ないと書いてあったのですが、実際にやってみるとドイツ語を話さなければいけない場面が多々あったので、ドイツで大学外で何かをやるにはやはりドイツ語を習得する必要があるのだと改めて感じました。
また、私は日本文化を紹介するイベントをやりたく機会を探していたのですが、10月に大学主催のInternational Festivalがあることを知り、東アジア学生連合(EASA)という団体に声をかけ、そのメンバーと一緒に東アジアを紹介するブースを出展しました。私は日本のブースを担当し、特技の華道のワークショップと、来てくれた人の名前を毛筆で漢字で書く体験を企画しました。毛筆体験が長蛇の列ができるほど人気で驚きました。
課外活動に関しては、2学期目から大学で行われている合気道のスポーツクラブに入りました。どうしてわざわざドイツまで来て日本の武道を?と思うかもしれませんが、日本の武道が遠く離れたヨーロッパでも行われていることが興味深くドイツではどのように教えられているのだろうと思い、友人が参加していたこともあり始めました。練習では主な言語はドイツ語で先生もドイツ語しか話さない人だったのですが、これにより実践的なドイツ語を学ぶことができました。
冬学期は授業に関してもチャレンジングな学期になりました。前期は3科目履修したのに対し後期は1つ多い4科目履修し、半分が修士の授業でした。またアカデミックなコミュニケーションの機会を増やしたかったのでグループワークがある授業を履修しました。特に修士の授業では課される課題のレベルは高く量も多かったため、乗り切るのが大変でした。依然として真面目な話題について話すのは苦手でしたが、それでも日本の例を参考にしてプロジェクトのアイデアを提案したり、わからないところを積極的に質問したりすることでやる気を見せていました。
休日の過ごし方としては、友達と食べものを持ち寄ってパーティーをしたり、それがない休日は寮でまったりしたり、街を散歩したりしていました。また、月1くらいの頻度でベルリンに行き、レストランや美術館巡りを楽しみました。ベルリンでは毎月第1日曜日は多くの美術館の入場料が無料になるため、ベルリンに行く時はぜひ活用してほしいです。おすすめはペルガモン美術館とHamburger Bahnhofです。ちなみにドイツは日曜日が休息日と決められていて、スーパー含めほぼ全てのお店が閉まります。このオンオフの切り替えがはっきりしているところがドイツのいいところだと感じました。
留学を通じて、語学力の向上や異文化への理解が深まったのはもちろんですが、生き方は色々あることが分かったのが私にとって一番の収穫でした。BTUでは、周りの人が様々な経歴を持っていました。自国で学士を修め修士で正規留学をした人、一旦就職してから修士で学びにきた人、2回目の学士の人、専門学校を卒業し就職してから学士課程に入った人、2回目の修士の人などなど…自分が生きてきた中での常識では、文系は大学を卒業したら就職するのが普通だと思っていたので、このバラエティの豊富さは衝撃であり、自分の将来について改めて考えさせられました。
「GT生でよかった」と感じたエピソード
?留学に必要な複雑な手続きを、すでに留学を経験している先輩にすぐに聞けたり、自分の経験や友達の経験を共有したりすることができるので留学に関するリアルな情報を手軽に手に入れられたところです。
?留学生活で辛くなったり落ち込んでしまったりした時に、一緒に切磋琢磨してきた同じ境遇の仲間が世界各地で頑張っていると思うと自分も頑張らなきゃなあと心を奮い立たせていました。先輩や先に出発した同期から情報を得られるのも大きなメリットだと思います。また、GT生はみんな熱量が高く頑張り屋なところがあるので、自分もうかうかしてられないと行動するモチベーションを保つことができました。
後輩へのメッセージ
?GT生として留学することはメリットが多かったり、サポートも手厚いので充実した留学生活を送ることが出来ます。大学生活の中で留学をしたい人は上手く活用してみてください。
?自分は留学の目標が明確に定まらないまま渡航してしまったのですが、自分がどうなりたいか、その国に行って何がしたいかなど、やはり目標を決めて行った方がスタートダッシュをうまく切れ、行動力も増し、充実した留学になると思います。
また、自分の可能性を最初から見限らないこともとても大事だと思います。私は今まで自分に自信がないのと失敗するのが怖く、挑戦することに後ろ向きでした。しかし、留学して今まで育ってきたところと違う環境に身を置き、様々なバックグラウンドを持つ人と関わったことで、今まで弱みだと思っていたことが強みになることが分かり、見えてこなかった自分の強みが見えてきました。それにより少しだけ自分に自信が持て、少しずつやりたいことを見つけ行動できるようになりました。せっかく誰も自分のことを知らない、共通の価値観を持つ人も少ない新しい場所で生活するのですし、失敗することを恐れずに留学先でできることを目一杯楽しんでほしいです。