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大学院生が国立天文台ハワイ観測所インターン第一号に!

2025/3/25

マウナケア山頂施設と金井さん。正面左に位置する銀色のドームの中にすばる望遠鏡がある。

埼玉大学大学院理工学研究科の大学院生金井昂大さんが、日本国内の光学?赤外線天文学の大学間連携事業である「OISTER」の国立天文台ハワイ観測所短期滞在実習(ハワイインターン)の第一号となりました。

「OISTER」は、光学?赤外線天文学分野の大学間連携事業で、大学が運用する光赤外線望遠鏡と観測装置を連携させて、特にマルチメッセンジャー天文学の研究を推進しつつ、教育プログラム拠点の創設を目指す事業です。埼玉大学のほか、大学共同利用機関である国立天文台と、北海道大学、東京大学、東京科学大学、名古屋大学、京都大学、兵庫県立大学、広島大学、鹿児島大学の9大学が参加し、2011年度から始まりました。

「OISTER」は、主に国内の天文台をネットワーク化した研究と新しい教育拠点の形成に注力してきたため、これまで海外に設置されているすばる望遠鏡との直接的な連携はありませんでした。しかし、日本国内の若手研究者育成へもっと貢献したいと考えてきた国立天文台ハワイ観測所と、活動の発展を目指す「OISTER」側との考えが一致し、コロナ禍の明けた2023年頃から協議が始まりました。そして、2024年度に初めてOISTERからの大学院生のハワイインターンが実現しました。

埼玉大学大学院理工学研究科博士後期課程3年の金井昂大さんは、その記念すべき第一号となり、2024年9月から10月にかけて、アメリカハワイ島ヒロにあるハワイ観測所山麓施設に滞在しました。

金井さんは、すばる望遠鏡の次世代補償光学システムULTIMATE(すばる2プロジェクト)の時代を見据え、国立天文台ハワイ観測所 美濃和陽典 准教授と田中壱サポートアストロノマーのメンターのもと、近赤外線観測装置MOIRCSおよびULTIMATE用の次世代装置で期待される性能の評価などに取り組みました。課題を終えた金井さんは、「自分の研究で何度か行なったMOIRCSの観測はコロナ禍だったためリモートでした。今回は実際に現地に来て運用?開発という立場を経験することができ、望遠鏡?装置の理解だけでなく、今後の観測に役立つ知見も得られました。これらは実習後の2025年1月に実現した現地での共同利用観測で早速活かすことができました。今後もOISTERの学生がこのような素晴らしい経験ができる機会を続けてほしいです」と話し、このプログラムの次年度以降のさらなる発展を期待しています。

すばる望遠鏡で共同利用観測を実施するためには、厳正な審査(倍率数倍ほど)を経て観測申請書が採択される必要があります。金井さん自身及び指導教員の大朝由美子准教授(埼玉大学)は、ここ数年すばる望遠鏡の観測時間の獲得に成功していました。しかし金井さんの大学院時代は、ちょうどコロナ禍等でマウナケアでの現地観測ができず、国立天文台三鷹からリモート観測を行なう状況でした。これまでのリモート観測に加えてハワイインターンの経験を経て行なった共同利用観測は、さらに実りの多いものとなりました。金井さんは、これらすばる望遠鏡などの観測成果を論文にまとめ、この3月に博士(理学)の学位を取得しました。4月からは埼玉大学の研究員として天文学の研究をさらに進める予定です。

今回のOISTERからの短期滞在実習の実現には、国立天文台ハワイ観測所およびOISTERの多くの関係者の尽力がありました。国立天文台ハワイ観測所からOISTERへの働きかけを中心となって行った小山佑世准教授(国立天文台ハワイ観測所)は、「OISTERの大学には多くの若手研究者?大学院生が在籍し、若さのエネルギーに溢れています。将来のすばる望遠鏡、そして日本の光赤外天文学を担う人材は必ずこの中から生まれます。私たちはそのきっかけを作るため、これからもさまざまなハワイ観測所独自の企画を打ち出していきます」と今回の短期滞在実習の実現に手応えを感じています。また、OISTER側で高橋隼特任助教(兵庫県立大)とともに短期滞在実習のコーディネーターを務める大朝由美子准教授は、「私自身が大学院生の時に立ち上げから携わり、一緒に歩んできたすばる望遠鏡と、今進めているOISTERとの連携の一歩を踏み出せたのは非常に感慨深く思います。学部生たちだけでなく、将来を担う中高生たちにも、光赤外天文学の魅力を発信するうえでの重要な素材になるでしょう」と、やはり今回の成功を大きな転機と考えています。

すばる望遠鏡は運用開始から25年が経過しましたが、新しい観測装置の導入を通して今もなお性能向上を続けています。2030年代以降もすばる望遠鏡が世界の第一線で活躍し続けるためには、国立天文台と各大学の研究者が手を携えて、我が国の光学?赤外線天文学分野の活性化をはかることが必要です。今年度実現したすばる望遠鏡におけるOISTER短期滞在実習は、その象徴となる企画といえるでしょう。

国立天文台ハワイ観測所の記事(https://subarutelescope.org/jp/news/topics/2025/03/24/3527.html)もご参照ください。

脚注:突発天体が発生した際に、様々な望遠鏡を連携させ、同時に多面的に観測する事でその正体を探る研究手法

共同利用観測でマウナケアを訪れた金井さんと指導教員の大朝准教授たち。すばる望遠鏡ドーム前にて。
すばる望遠鏡の前で。
(右から)金井さん、大朝准教授
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